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性犯罪歴の照会 期間を10年超に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は22日、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する「日本版DBS」制度を巡り、加害者の性犯罪歴を照会する期間を「10年超」とする方針を固めた。子どもの安全を重視し、刑法が「刑の効力を失う」と規定した期間よりも長くする。10年超の具体的な年限を詰めた上で、早ければ来年の通常国会への関連法案の提出を目指す。関係者が明らかにした。
 こども家庭庁の有識者会議は9月に報告書をまとめた。DBS制度の対象は裁判所で有罪判決が確定した「前科」とすべきだとしたが、雇用主が性犯罪歴の有無を照会できる期間は、加害者の職業選択の自由や更生についても考慮し「一定の上限を設ける必要がある」とした。年限は明記しなかった。
 刑法では、禁錮以上の刑の場合、執行後10年で刑の言い渡しは効力を失うと規定している。DBSに関しても、政府は当初、刑法とのバランスなどを考慮し、照会期間を10年とすることを検討していた。
 ところが、与党内から「性犯罪者は再犯率が高く、子どもの安全を守るため、より長期にすべきだ」との指摘が相次いだ。性犯罪歴の確認を義務付ける対象職種を保育所や学校に限定したことにも異論が続出したため、政府は、今国会への関連法案の提出を見送った経緯がある。