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病気療養児、コロナ禍増 中高生は「心の病」半数


病気療養児、コロナ禍増 中高生は「心の病」半数 主な療養理由の内訳
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2022年度に病気や障害で長期間学校を休んだ「病気療養児」は、国公私立の小中高校(特別支援学校を除く)で6544人いたことが文部科学省の調査で分かった。新型コロナ流行前の17年度調査より1544人増えた。中高生では、うつや摂食障害といった「心の病気」が理由の半数を占めた。専門家は「コロナ禍の閉塞(へいそく)感から心に不調を来し、回復できずにいる子どもは多い」と指摘している。
 「病気療養児」は医師の診断がある病気や障害などにより年間30日以上欠席した児童生徒で、「不登校」とは異なる。22年度は小学生2277人、中学生2542人、高校生1725人だった。療養理由は初めて調べた。中学では摂食障害など「心身症」が683人、うつなど「精神疾患」559人。高校はそれぞれ301人と542人。専門家はこれらを合わせて「心の病気」としており中高の療養理由の49%となる。小学生はがんなど悪性新生物が最も多い理由だった。
 病気療養児に詳しい日本大の高橋智教授は、心の病気は数年後に発症する場合も多いとして「カウンセラーの増員など場当たり的な対策ではなく、教員がじっくり子どもに向き合えるように学級の規模を小さくするなど抜本的な予防策が必要だ」と述べた。