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闘病の祖母へ 元気贈る 北九州の学生・廣瀬さん ぎりぎりで完走


闘病の祖母へ 元気贈る 北九州の学生・廣瀬さん ぎりぎりで完走 闘病中の祖母のために、制限時間ぎりぎりで完走を果たした廣瀬寛太さん(左端)とサークルのメンバー=3日、奥武山陸上競技場
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 NAHAマラソン制限時間の6時間15分ぎりぎりでゴールに駆け込んだ北九州市立大学大学院の廣瀬寛太さん(23)は、がんで闘病中の祖母越智まき子さん(78)を少しでも元気づけようと出場した。初出場で完走を成し遂げた。ゴール直後に倒れ込んだが「抗がん剤治療でつらい思いをしている、おばあちゃんが少しでも元気になってもらえれば」と語り、満足そうに顔をほころばせた。
 廣瀬さんの祖母は現在、愛媛県の病院で闘病しており、10月に「余命3カ月」と宣告された。少しでもエールを送りたいと、自身が加入するサークル「大学祭実行委員会」のメンバー8人で出場した。8人はいずれもNAHAマラソン初出場で、8人中4人が完走した。
 完走後に早速、祖母のまき子さんにメッセージを送った。まき子さんから「わたしも頑張る。年末に会おうね」と返信をもらい「良かった。頑張ったかいがあった」と喜んだ。
 同じ大学院の河﨑尚哉さん(24)は「位置情報を見ながら走っていて、遅れていた寛太を待つかどうか最後まで迷ったが、一緒にゴールできて良かった」と笑顔で語った。 (吉田健一)