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久高前議長ら5人起訴 那覇地検、市有地巡る贈収賄


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

那覇市有地の所有権を巡る贈収賄事件で、那覇地検は6日、市議会議長の立場で所有権の帰属に関して関係者に有利になる便宜の見返りに現金計5千万円を受け取ったとして、前議長で無職の久高友弘容疑者(75)=同市=を収賄罪で起訴した。地検は同日、事件で摘発された計5人を起訴した。それぞれの認否は明らかにしていない。
地検は、久高被告と共に現金を受け取ったとして、所有権を主張する女性の後見人で飲食店経営の女(71)=那覇市=を収賄罪で起訴。久高被告と飲食店経営者に現金を渡したとして、不動産コンサルタント会社の男(73)=同=と、元総会屋の無職の男(80)=鹿児島県、会社役員の男(70)=東京都=を贈賄罪で起訴した。
起訴状によると、久高被告は2020年12月18日、所有権帰属の調査や議案提出、質問などを他の議員に働きかけ、議会事務を統括するなどの取り計らいを贈賄側が受けたいことを知りながら、議長室で現金500万円を受け取ったとした。また21年2月8日、飲食店経営者と共謀して議長室で現金4500万円を受け取ったとされる。
関係者によると、贈賄側の不動産コンサルタント会社の男は「久高氏の手腕に期待し現金を渡した」と現金供与の趣旨は賄賂だと認めた。一方、元総会屋は「(久高氏が金を)何に使ったかは知らない」などと否認しているという。久高被告は受領した5千万円について、飲食店経営者から調査費として3500万円を受け取ったとし、収賄には当たらないと容疑を否認。詳細に関しては黙秘を続けているという。