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柿沢議員宅を捜索 特捜部 買収疑い、聴取要請


柿沢議員宅を捜索 特捜部 買収疑い、聴取要請 東京・江東区長選を巡る公選法違反事件の構図
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京都江東区長選を巡る公選法違反事件で、東京地検特捜部は14日、柿沢未途衆院議員(52)=東京15区=の東京・永田町にある議員会館事務所や、江東区の自宅を家宅捜索した。買収容疑で捜査しており、柿沢氏に対し任意の事情聴取を要請した。自らが支援した木村弥生前区長(58)が当選した4月の区長選前、自民会派の区議らに配った現金に票の取りまとめを依頼する趣旨が含まれていたとみて調べるもようだ。柿沢氏は自民党に離党届を提出し、受理された。
 柿沢氏が2月、地元事務所で複数の秘書と会議をした際、区議らに現金を渡す方針を直接伝えていたことも判明。区長選と同日程だった区議選を支援する金で「陣中見舞い」との認識を示したという。柿沢氏は後援会向けの11月30日付の文書で、区議らへの現金について「買収の意図はなかった」としている。関係者によると、柿沢氏は2月の会議で柿沢氏側、区議側双方の政治団体でやりとりする資金だと説明。封筒などが準備され、一律20万円を配布するよう指示したという。地域ごとに担当を割り振られた複数の秘書が、区議ら10人以上に現金提供を申し出たとされる。
 受け取りを拒否した区議がいる一方、少なくとも5人前後が受け取ったとみられる。その後、返金した区議もいた。特捜部は既に秘書や区議らの関係先も捜索し、事情聴取を進めている。
 柿沢氏側が木村氏の陣営スタッフらに現金を支払っていたとみられることも判明。対象は13人で、総額約90万円との一覧表を柿沢氏の秘書が作成したとされ、特捜部は運動員に対する買収の疑いでも慎重に調べている。
 特捜部は木村氏の陣営が選挙期間中、木村氏への投票を呼びかける有料のインターネット広告をユーチューブに掲載した事件も捜査。柿沢氏は掲載を木村氏に提案しており、10月31日に法務副大臣を引責辞任した。特捜部は広告掲載について、柿沢氏の関与の度合いを見極める。