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被災者「早く仮設住宅を」 能登地震 生活支援へ不安訴え


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「仮設住宅を早く」「道路を直して」。政府が能登半島地震を「激甚災害」と指定した11日、被災者は住まいの確保など生活再建への不安を訴えた。故郷を襲った震災の爪痕は深く「もう住めない」との諦めを口にする人も。国は支援を決めたが絶望感が漂う。
 (3面に関連)
 1歳10カ月の長男がいるという石川県輪島市のパート従業員の女性(35)は5人の家族が4台の車に分かれて車中泊を続けている。家族の仕事もあり、市外への避難には後ろ向きだ。「雨をためた水でトイレを流している。『サバイバル生活』だ」と顔を曇らせた。
 輪島市の奥田史郎さん(76)は「1週間以上まともにご飯を食べることもできなかった」とボランティアによる炊き出しを口にしながら声を絞り出した。津波被害を受けた珠洲市の舟木良彦さん(59)の自宅の壁には津波が到達した泥の跡が残る。昨年5月の地震でも瓦などが崩れ、約200万円かけて修理したばかり。もう一度家を元通りにするかどうか。「娘や近所の人は珠洲を去ると言っている。俺はもう住めないかもな」と涙ながらに語った。