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住民「計画撤回諦めない」 うるま・訓練場 防衛相発言に憤りも


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 うるま市石川への陸上自衛隊訓練場の新設計画を巡り、木原稔防衛相は20日の閣議後会見で「計画を白紙にする考えはない」と否定した。一方で地元住民からは「計画撤回は諦めていない。まだ希望はある」との声が上がった。 (1面に関連)
 旭区に住む安田公(こう)さん(64)は住民が納得する説明を受けていない中での木原氏の発言に「憤りを感じる」と話した。「住宅密集地のそばに建設する必要性は説明されていない」と不満げ。「災害時の住民利用などにも言及していたが取って付けた説明のように感じる」と苦言を呈する。「まだ撤回に向けた希望は捨てていない」と話した。
 石川地区自治会長連絡協議会の與古田ゆかり会長は「訓練場ができてしまえば、(訓練)内容はどのようにも変えられる」と機能強化に懸念を示した。撤回に向けた活動は「これからだと思っている」と広がりに期待を寄せる。「引き続き白紙撤回を求める。計画は諦めてもらいたい」と話した。
 旭区評議委員を務める眞壁朝弘市議は「断念を求める立場は変わっていない」とした。「防衛省は最初から計画撤回の意思はなかった。利用の在り方を検討する、というのは一歩前進だ」と前向きに捉える。木原氏は取得後の土地利用について幅を広げて検討する意向も示しているが「地域の人が納得できる使い方でないとどうにもならない。説明が一番重要だ」と強調した。 (金盛文香)