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県、環境保全措置要求 防衛局に文書送付 ジュゴン調査拡充も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関連し、県環境部は22日、基地建設工事による環境への影響について沖縄防衛局がまとめた2022年度の事後調査報告書に対して、環境保全措置を求める文書を沖縄防衛局に送付した。11項目19件について求めた環境保全措置の中には、22年に大浦湾に近い久志の沿岸海域で動物のふんから国指定天然記念物ジュゴンのDNAが検出されたことにも言及し、ジュゴンの調査拡充についても新たに盛り込まれた。
 報告書では、工事海域でジュゴンの姿は見られず、大浦湾側の海域でも食跡や鳴き声は確認されなかったと記載されていた。これに対し県は、生息状況調査の回数や時間、範囲の拡大などのほか、ジュゴンのふんの可能性があるものが確認された場合にはDNAを分析することを求めた。
 また、移植した小型サンゴ類の死亡群体が確認されていることに関し、事後調査の頻度が移植後1~5年後まで1年1回と設定されているが「生残率が低下した場合に要因を確認できないおそれがある」と指摘した。
 防衛局が指導・助言を受けている環境監視等委員会の委員の専門分野や助言内容の記載も求めた。
 県が報告書に対して求めた環境保全措置の文書全文は、県のホームページで公開される予定。 (慶田城七瀬)