将棋の第49期棋王戦が24日、金沢市の北國新聞会館で行われ、棋王の藤井聡太八冠(21)と挑戦者の伊藤匠七段(21)が対局した。能登半島地震で自宅が倒壊し、妻を亡くした石川県珠洲市の塩井一仁さん(63)が、がれきから見つけ出した駒を提供。対局を見守った塩井さんは「若い2人の最前線の戦いを彩る駒となりうれしい」と感慨深げだった。勝利した藤井八冠は「特別な駒で、良い将棋をしたいという気持ちは強かった」と振り返った。対局は午前9時からスタート。対局室に静かな駒音が響き、塩井さんは真剣な面持ちで初手を見つめた。
塩井さんは2009年以降、ほぼ毎年金沢での棋王戦に駒や将棋盤を提供してきた。その年の対局が終わると、来年はどの駒を出すかと常々考えていた。「今日は日常を取り戻すスタートの日だ」と話した。
有料
がれきから出た駒で対局 棋王戦 珠洲の塩井さん提供
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琉球新報朝刊
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