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輪島副市長「一番先に」 解体相談初日に隣家着工


輪島副市長「一番先に」 解体相談初日に隣家着工 地震で石川県輪島市の中山由紀夫副市長の自宅側に傾いた隣家=7日(近隣住民提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震で5千棟以上の住宅が全半壊した石川県輪島市で、中山由紀夫副市長(64)の自宅側に傾いていた隣家の緊急公費解体が、市民からの解体相談の受け付け初日にあたる12日に始まったことが25日、分かった。初日に相談し同日着工された例はなく、中山氏は取材に「受け付け前から担当課とやりとりした。制度が始まったら(解体を)一番先にしてと言ったが圧力はかけていない」と説明した。
 緊急公費解体は、復旧作業の妨げとなるか、周囲に危険を及ぼす恐れがある建物を、罹災(りさい)証明書の発行前に自治体が所有者に代わり解体・撤去する仕組み。市では12~21日に約700件の相談を受け付けた。
 市環境対策課によると、中山氏の隣家以外にも事前相談を受けた住宅はあり、復旧作業のために市から打診したケースと合わせて10棟以上が12日以前に解体対象に決まったが、詳細は明かしていない。中山氏によると、同市中心部にある自宅は、半壊状態となり傾いた隣家と一部が接触。その影響で、市の応急危険度判定で最も危険な分類とされたが、今も寝泊まりする。1月中旬に同課に問い合わせ、手続きについてやりとりした。隣家の家主に依頼し、申請書類を提出してもらうなど事前準備を進めたという。
 解体は12日に開始。中山氏は「早めに情報を知り得る立場だったが、被災者として申請した。別におかしいと思っていない」と話した。