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宝塚 パワハラ半数認める 俳優死亡 遺族側と合意至らず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 宝塚歌劇団の女性俳優(25)が昨年9月に急死した問題で、遺族代理人の川人博弁護士らは27日、東京都内で記者会見し、遺族側が15件あったと訴えている上級生らのパワーハラスメント行為について、歌劇団側が約半数を認めたと明らかにした。残りは一部否認か完全否認という。双方の主張に隔たりがあり、解決へ向けた合意には至っていないとしている。
 遺族側は、女性が上級生からヘアアイロンで額にやけどを負わされるなどの被害を受けたと指摘。過重業務を課され、亡くなる直前には上級生に呼び出され、未明近くまで怒声を浴びたと主張している。川人弁護士によると、歌劇団側は1月下旬の回答書で、歌劇団幹部や上級生による多くのハラスメント行為があったと認めた。
 15件のうち約半数をパワハラと認める一方、ヘアアイロンの件などは否認した。川人弁護士は「(加害者とされる)上級生の言い分をそのまま受け入れる傾向が強い」と批判した。
 歌劇団に所属する女性の妹は川人弁護士を通じ「第三者の証言を無視するのは納得いかない。これ以上姉と遺族を苦しめないで」などとするコメントを発表した。
 歌劇団は27日、「経過報告についてコメントは差し控えますが、合意書の締結に向けて引き続き協議してまいります」との文書を出した。