【写真・動画】竜巻目撃証言続々 「ゴォー」という音 テーブルやいすが散乱し、倉庫が破損 「こんなの初めて」 沖縄・伊江島


【写真・動画】竜巻目撃証言続々 「ゴォー」という音 テーブルやいすが散乱し、倉庫が破損 「こんなの初めて」 沖縄・伊江島 竜巻とみられる突風=5日、伊江島(伊江村役場提供)
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 【伊江】沖縄本島北部の本部半島と伊江島の間の海域で5日午前11時すぎ、竜巻のようなものが目撃された件で、本部署などによると、伊江村東江前のホテルのフロントのガラスが1枚割れたほか、ホテル近くの法人の倉庫が破損するなどの被害があった。現時点、人的被害は確認されていない。沖縄気象台は「東シナ海の前線に流れ込む湿った空気の影響で大気が不安定になり、積乱雲が発達するなどして竜巻などの激しい突風が発生したとみられる」としている。

■宿泊客全員チェックアウトの後で

 ホテルの古田隆士支配人によると、午前11時5分ごろ、ホテルの外で作業していた従業員が「ゴォー」という音を聞き、事務所へ避難してきた。ホテルの防犯カメラには竜巻らしきものが施設付近を通過する様子が写っていたという。

 音は事務所内にいても20秒ほど続き、吉田支配人が外へ出ると、テーブルやいすが散乱し、ガラスが割れるなどの被害があった。古田支配人は「お客さまが全員チェックアウトした後で、従業員にもけががなくてよかった。もし外に人がいたらと思うと怖かった」と話した。(以下写真はホテル提供)

■フェリー船長「これだけ大きいのは初めて見た」

 午前11時の本部港発、伊江島行きのフェリーぐすくからも、島の西側海上から東側海上へと移動する竜巻の様子が目撃されていた。本部港を出港して、数分後、フェリーぐすくに伊江港から「すごいことになっている」との連絡が寄せられた。船長の玉城勝彦さん(56)が島の方向に目を向けると、竜巻が移動しているのがはっきりと確認できたという。

 船長になって13年、船員として34年になるが「これまでも海上で遠くにある薄い竜巻を見ることはあったが、これだけ大きいものは初めて見た」と驚いた様子で話す。玉城さんは「南西の風が吹いていたので通り過ぎたが、船に当たっていたら大変なことになっただろう」と話した。

 ■水を吸い上げ「竜の尾のような形に」

 村内で畜産業を営む男性は午前11時5分ごろ、島の西側海上から東側陸地へ移動する竜巻を伊江港から北東に約500メートルの地点で目撃した。竜巻は風がわき上がるように発生した後、ホテル付近で島に上陸し、ホテル北東のため池付近で消滅したという。

 男性は上陸後の様子について「(ホテル北東の)ため池の水を吸い上げて竜の尾のような形になったが、10秒ほどでぱっと消えた」と話した。

 発生から消滅までは1~2分ほどで、男性のいた場所から音は聞こえなかったという。男性は「過去に何回も竜巻を見ていて、過去に被害を受けたこともある。自分のところに被害はなかった」とほっとした。

 竜巻の発生地点から西に約500メートルの公民館にいた女性(54)は「中にいたので全然分からなかったが、一瞬すごい大ぶりの雨が降った時間があった。公民館に特に被害はなくよかった」と胸をなでおろした。(金城大樹、武井悠、池田哲平)