ブタの臓器を人間に移植する「異種移植」を巡り、京都府立医大と鹿児島大のチームが今年夏にもブタの腎臓をサルに移植する研究を実施すると6日、発表した。移植した腎臓が正常に機能するかなど、安全性や効果を一定期間確認し、数年以内の人への移植を目指す。
明治大発のベンチャー企業「ポル・メド・テック」が米国から細胞を輸入して作製した、人に移植しても拒絶反応が起きないよう遺伝子改変したブタを使用。同社では2月に初めて移植用クローンブタが誕生したが、研究では今後生まれるブタの腎臓を移植する。
計画によると、カニクイザルに対し、生後約4カ月のブタの腎臓を移植。ウイルス感染や激しい免疫反応の有無、免疫抑制剤の投与方法などを評価する。
京都府立医大の奥見雅由准教授(泌尿器科)は複数のサルに移植する計画で「2~3年かけ、人への移植に進めるために必要なデータを集めたい」と述べた。
拒絶反応によって人からの移植が難しい患者への異種移植を検討。動物実験と並行し、患者の血液と遺伝子改変ブタのリンパ球を反応させ、治療に合う患者を選定する。
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ブタ腎臓、サルに移植へ 京都府立医大など、人へ応用目指す
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琉球新報朝刊
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