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「人権ないがしろ」 オスプレイ再開へ 基地周辺、住民憤り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日米両政府は、鹿児島県沖で墜落事故を起こしたオスプレイの運用を再開する方針を明らかにした。日本国内の配備場所などでは、原因の丁寧な説明や、安全性の確保を徹底するよう求める声が続出。住民の不安感は解消されないままだ。 (1面に関連)
 米海兵隊のMV22オスプレイが配備されている宜野湾市の普天間飛行場。8日も機体を整備する様子が確認できた。滑走路に並ぶ機体のうち1機は、プロペラを何度も回転させていた。
 近くの介護士上江洌尚子さん(66)は「家のすぐ上を飛び、いつ墜落するか分からない恐怖におびえて暮らす県民の人権をないがしろにしている」と憤る。2017年12月に、米軍ヘリの部品と同一の物が落下した飛行場そばの保育園の神谷武宏園長(62)は「プロペラの音が日増しにうるさくなり、不安だ。日本政府は米軍に対し強い姿勢を見せるべきだ」と訴えた。
 防衛省は、今回の墜落の詳しい原因は明らかにしないとの立場だ。佐賀市では、陸自オスプレイの最終的な配備に向け駐屯地建設が進む。昨年12月、建設差し止めを求め提訴したノリ漁師古賀初次さん(74)は「原因解明ができていないのに、飛行再開は断じて納得できない。私たちの一番身近な問題として、生命の危機を感じる」と語った。