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宮古住民「原因究明を」 陸自ヘリ墜落 再発防止求める声


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 【宮古島】昨年4月に宮古島市の海に陸上自衛隊のUH60JAヘリコプターが墜落し、乗組員10人が死亡した件で、防衛省は14日、事故原因を複数に絞ったが、特定できなかったとする報告書を公表した。宮古島市の住民から「原因を特定してほしかった」「原因が分からなければ、対策のしようがない」などの声が上がった。(2面に関連)
 事故現場海域が見渡せる池間島の海岸線近くでサトウキビ畑を耕していた佐久本昌治さん(72)は事故機がバラバラになっていたことに触れ「あの状態なら調査の難易度は高いと思っていた。原因が分からないのも仕方ないのかな」と話した。
 ミサイル・弾薬庫配備反対住民の会の下地博盛共同代表(74)は「原因を特定できなければ、対策のしようがない」と語気を強める。乗員10人が亡くなったことに「同型機で同様の事故が起こるリスクはないのか。今後、隊員の命を奪うような事故はあってはならない。原因究明と再発防止策を徹底してほしい」と強調した。宮古地区自衛隊協力会の与那城敏副会長(61)は「機体がバラバラの状況の中、原因を絞りこんだ。防衛省は一生懸命に調査したと思う」と評価した。一方で、「それでも隊員の命が犠牲になっている。原因を特定してほしかった。今後は100%の防止策を施してほしい」と再発防止の徹底を求めた。(友寄開)