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一番は家具の転倒対策 稲垣暁さん(社会福祉士・防災士)に聞く 南海トラフ地震、できる対策は全て必要 沖縄


一番は家具の転倒対策 稲垣暁さん(社会福祉士・防災士)に聞く 南海トラフ地震、できる対策は全て必要 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 地震に備えて、日頃からどんな対策をとっておくべきなのか。社会福祉士・防災士の稲垣暁さんに聞いた。

 大きな地震は定期的にやってくるという前提で、できる対策は全てやる必要がある。一番大事なのは家具の転倒対策だ。県民の対策率は約10%と、全国でダントツの最下位だ。脱出経路の確保のためにも、玄関通路には倒れる物を置かない。玄関の扉が開かなくなる可能性もあるので、窓を割って逃げられるよう避難経路を確保する必要がある。

 キッチンは家の中では危険な場所だ。フライパンや刃物、電子レンジなどが飛んでこないように管理を見直すべきだ。食器棚には食器の滑り止めのゴムシートを敷くなどの対策をする。

 沖縄では古い家も多い。物が多く、崩れたり火災の原因になったりする。家の中の物は普段から減らしておくとよい。

 カセットコンロなどの熱源と水があれば食事は何とか対応できるので備えは必須だ。水を入れるだけですぐ食べられる非常食もある。値段は高いが1、2個はストックしておきたい。

 緊急時は車から電気を確保できるので、ガソリンは常に満タンにしておく。クーラーが使えなくなった際の熱中症対策も重要だ。最近では10ワット以下など低電力で動かせる扇風機もあり、車からの電力で十分に使える。

 もし南海トラフ地震が起きたら、沖縄に直接被害がなかった場合でも、県外に物資や人材が派遣され医療や福祉サービスが難しくなることが予想される。アルコールやおむつ、汗ふきシートなど衛生環境を維持できるよう備えも大事だ。 (社会福祉士・防災士)