気象庁によると、台風9号は19日午後6時現在、久米島の北西約110キロにあり、1時間に25キロの速さで北に進んでいる。中心気圧は998ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートル。沖縄本島地方と先島諸島は20日、雨雲の発達の程度によっては警報級の大雨になる恐れがある。台風は20日にかけて勢力を維持しながら東シナ海を北上する見込み。
20日に予想される1時間降水量は、沖縄本島地方と先島諸島の多い所で30ミリの激しい雨が降る見込み。
20日の最大風速(最大瞬間風速)の予想は沖縄本島地方は15メートル(25メートル)、先島諸島は12メートル(25メートル)。
沖縄気象台は真っ黒に見える積乱雲が近づく兆しがある場合は、落雷や竜巻など激しい突風が起きる可能性があり、建物内に移動するなど安全確保を呼びかけている。沖縄旅客船協会によると、19日は本島や周辺離島、石垣島と周辺の島々の航路計98便が欠航した。空の便は19日、日本航空(JAL)が羽田―久米島2便、琉球エアーコミューター(RAC)は宮古―多良間2便が欠航した。
空港に帰省客ら長蛇の列
台風9号が接近する宮古島市では19日、旧盆を終えて帰ろうとする人たちが市平良の宮古空港の搭乗受け付けで長蛇の列をつくった。便の欠航を心配する声もあったが、予定通り運航されたことで胸をなで下ろす姿もみられた。久米島では、台風9号の接近による海上のしけのため、同日のフェリーが全便欠航した。
同日午前11時20分ごろ、宮古空港の搭乗受け付けカウンターには多くの人が訪れた。旧盆で息子と那覇市から帰省していた女性(54)は「台風が宮古島の近くにあったので、那覇に戻ることができるか心配だったが、無事に飛ぶようなので安心した」と話した。
台風の影響で仕事を休まざるを得ない人もいた。市平良の荷川取漁港にいた船の整備士の男性(50)は「今日は船2、3台の修理の予定をしていたが、この雨だと仕事ができない」とため息をついた。
(狩俣悠喜、友寄開、藤村謙吾)