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沖縄市の川上流で高濃度PFAS検出 国の暫定指針値の220倍 県調査 泡消火剤影響か


沖縄市の川上流で高濃度PFAS検出 国の暫定指針値の220倍 県調査 泡消火剤影響か 水(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 県は30日、沖縄市北部の川崎川上流の地域で、高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたと発表した。5地点中4地点で、国の暫定指針値(1リットル当たりPFOS・PFOA合計50ナノグラム)を超え、地下水では220倍が検出された。県は「原因はわからない」としているが、関係者は、米軍などが使用している泡消火剤や廃棄物との関連を指摘している。

 同地域では2018年度、沖縄市の産業廃棄物最終処分場から高濃度のPFASが検出されて以降、県が周辺の河川や湿地帯の調査を続けている。周辺には産廃処分場や工場が集まっているほか、米軍キャンプ・シールズもあり、汚染源は特定されていない。

 今回の調査は今年2月2日に湿地帯、周辺河川、地下水の計5地点で採水した。初めて私有地をボーリングして調べた地下水では1リットル当たり1万1千ナノグラムのPFAS(暫定指針値の220倍)を検出した。周辺河川では暫定指針値の17倍、湿地帯でも2カ所で30倍の高濃度のPFASを検出した。

 県環境整備課は、私有地であることを理由に、調査地点を明らかにしていない。高濃度のPFASが検出された地下水が飲料用に使われていることは確認されていないという。「(高濃度の)原因はわからないので、モニタリングを継続して、汚染源の把握に向けて取り組む」としている。

 県内の環境調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)の河村雅美代表は、暫定指針値の220倍について「極めて高い数字」と語る。特にPFOSの値が高い結果から「泡消火剤の可能性がある」と指摘した。地元関係者は「複数ある産廃処分場の可能性が高まっている。その中には米軍関係の廃棄物を請け負っている業者もいる」と話している。

 (南彰)