【ワシントン10日=石井恵理菜】訪米中の玉城デニー知事は10日、民主、共和両党の連邦議会議員やその補佐官計5人と相次いで面談した。垂直離着陸輸送機オスプレイの安全性について情報提供を求める書簡を国防長官に提出しているグレン・グロスマン下院議員(共和)は、市街地に囲まれた普天間飛行場でオスプレイが頻繁に運用されている実態を説明した玉城知事に対し「非常に危険な基地だ。それは一目すればよく分かる」と同意。自身の問い合わせに対する国防総省の説明が遅いとして対応を急がせる考えを示した。
県系4世のジル・トクダ下院議員(民主)は沖縄の米軍基地で相次ぐ夜間飛行を巡り「(ハワイでは)夜間飛行を行わないといけない場合は事前通知が必要となっている。それは沖縄でもできることだ」との認識を示し当局に書簡を出すなどして負担軽減に向けた対応を行う考えを示した。
有機フッ素化合物(PFAS)規制関連法案の提出を主導するエリッサ・スロットキン下院議員(民主)の補佐官との面談では、PFASに対する認識で一致。補佐官は「沖縄(の米軍基地)で起きている問題の重要性を理解し、議員にも伝え、可能な限り一緒に取り組んでいきたい」と述べ、連携を深めることを確認した。
辺野古新基地建設の妥当性について国防総省に報告を求めているジェームス・モイラン下院議員(共和)の補佐官は県がワシントン事務所を通じて情報発信している意義を評価。「(モイラン氏を選出した)グアムの声が重要であるように、沖縄の人の声も大切にされるべきだ」と指摘した。
上院軍事委員会に所属するダン・サリバン上院議員(共和)の補佐官との面談で玉城知事は、辺野古新基地建設の技術問題を説明し、普天間飛行場の危険性除去に向け、委員会の協力を要望した。
玉城知事はまた、防衛・安全保障担当記者らと朝食懇談会を行い、相次ぐ米兵による性的暴行事件で通報体制に問題が生じたことや、オスプレイに対する懸念が県内で高まっている実態を説明し、意見を交わした。