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玉城デニー知事「『台湾有事』が一人歩きしている」 訪米でシンポ登壇、外交促進を訴え


玉城デニー知事「『台湾有事』が一人歩きしている」 訪米でシンポ登壇、外交促進を訴え ハドソン研究所日本部長のケネス・ワインスタイン氏(右)から質問を受ける玉城デニー知事=9日午前10時過ぎ(日本時間9日午後11時過ぎ)、米ワシントン
この記事を書いた人 Avatar photo 石井 恵理菜

 【ワシントン9日=石井恵理菜】玉城デニー知事が、4度目となる訪米で本格的な活動をスタートし、9日午前10時(日本時間同日午後11時)、米シンクタンク「ハドソン研究所」が主催したシンポジウムに登壇し、沖縄の基地負担の現状を訴えた。

 共和党系の同研究所は、米国の政策形成に影響力を持つ。「中国脅威論」についての質問が相次ぐ中、玉城知事は「『台湾有事は日本有事』という言葉が、危ういぐらい一人歩きしているのではないかと思う。不安定な関係を安定関係に移行し維持するために、地域外交、地域間の交流を進めるべきだと考えている」と話した。 

 県知事が共和党系のシンクタンクで講演するのは極めて異例。県ワシントン駐在を通じて実現した。同研究所の研究員や米国政府関係者、日本大使館からも参加があった。対談では参加者から集めた質問を、同研究所日本部長のケネス・ワインスタイン氏が玉城知事に投げかけた。

 ワインスタイン氏は、中国の脅威についての考え方や「台湾有事」の際の沖縄のリスクなどについて質問した。玉城知事は「日米同盟の軍事力向上のみを日本の外交努力とすることは、非常に注意が必要だ」とし、外交によって平和を求めていくという県の立場を改めて強調した。

 玉城知事は沖縄に在日米軍専用施設の約7割が集中していることを挙げ、「現実的な基地負担を減らすには、最低でも50%を目標にSACO2(セカンド)として協議するべき」と、理解を呼び掛けた。

 対談後、ワインスタイン氏は琉球新報の取材に対し「沖縄の負担は非常に重いことは現実だ」と話した。今後の見通しとして「時間の経過とともに、無人システムなどの使用が拡大するにつれて沖縄の負担は軽減されると思う。米軍の態勢にとって不可欠な重装備の一部は必要だが、それほど重要ではなくなる。だが、今後数十年の話だ」として、長期的には沖縄の基地負担が軽減されるという見方を示した。