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世界の先住民族と連帯を訴え 沖縄の自己決定権の確立へ 琉球独立学会がトークイベント 那覇


世界の先住民族と連帯を訴え 沖縄の自己決定権の確立へ 琉球独立学会がトークイベント 那覇 国連で採択された先住民族権利宣言の内容などについて説明する(後列左から)アレクシス大城さん、酒井莉沙子さん、親川志奈子さん=15日、県立博物館・美術館
この記事を書いた人 Avatar photo 吉田 健一

 琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)主催のトークイベント「ウィナグと国連」が15日、那覇市の県立博物館・美術館であった。辺野古新基地建設や米兵による性犯罪など戦後から続く沖縄の不条理を国連などで主張してきた酒井莉沙子さんとアレクシス大城(うふぐしく)さんが登壇した。2人は基地問題の解決や先住民固有の自己決定権の確立に向けて、世界のウチナーンチュや海外の先住民族との連帯を図る必要性などについて訴えた。

 ACSILs共同代表の親川志奈子さんがモデレーターを務めた。親川さんは国連本部で開催される先住民族問題に関する常設フォーラムやスイス・ジュネーブでの先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)会合に参加した際のやりとりなどについて報告した。

 トークイベントでは、日本政府が琉球民族を先住民族と認めず、基地建設を強行するなど軍事植民地化していることが先住民族権利宣言(UNDRIP)に違反しているとの指摘が相次いだ。

 大城さんらは、日本政府が琉球民族を先住民として認めない理由について、権利宣言の第30条にあると指摘。第30条は先住民族による合意または要請のある場合を除いて、軍事活動は行われない―などと軍事活動の禁止をうたっている。大城さんは「日米は琉球が自己決定権を持つことに、そして軍事基地にノーと言えることを恐れている」と語った。

 会場からは日本政府を動かす方策などについて質問が飛んだ。酒井さんは「友人とのユンタクなどで沖縄の現状を話すなど自分たちにできることをやればいい。微力は無力じゃない。少しでもできることをやろう」と呼びかけた。

 (吉田健一)