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456人避難生活続く 能登豪雨1週間 関連死の対策急務


456人避難生活続く 能登豪雨1週間 関連死の対策急務 豪雨で冠水し、泥に覆われた石川県輪島市の中心部。ボランティアらによる懸命の復旧作業が続く=28日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石川県能登地方を襲った記録的豪雨から、28日で1週間となった。県によると、自宅が浸水被害に遭うなどした影響で、住民456人が避難所に身を寄せている。インフラ被害が大きな地域では、被災地外の宿泊施設などへの「2次避難」を近く実施するため、県や地元自治体が調整。被災者は元日の能登半島地震による被害に続く避難で心身への負担が増しており、災害関連死を防ぐ対策が急務だ。
 輪島市と能登町で28日、計2人の遺体が見つかり、豪雨の死者は13人になった。
 県の28日午後3時時点の発表では、行方不明1人、連絡が取れない安否不明4人としている。けが人は47人に上る。消防や警察は不明者捜索を継続。人員を増やして態勢を強化した場所もある。住民やボランティアは土砂の片付けに当たった。
 避難者は、自治体が開設した避難所に滞在している人を集計した。輪島市383人、珠洲市66人、能登町7人。親戚宅への避難などは含まれず、自宅以外での生活を余儀なくされている住民はさらに多いとみられる。輪島市、珠洲市、能登町では計3641戸が断水し、計約950戸が停電している。
 県は、能登半島地震の被災者向け仮設住宅で浸水被害に遭った箇所のほか、一時孤立状態となった地域の住民らについて、ホテルや旅館などで受け入れる2次避難を調整している。対象は輪島市や珠洲市の一部地域で、市が住民の意向調査を進めている。
 馳浩知事は28日の県災害対策本部で「地震避難者も含め物資・生活支援に万全を期してほしい」と指示した。
 輪島、珠洲両市では、元日の地震で公民館などに開設された1次避難所に、9月24日時点でなお計217人が滞在。地震後の避難生活などで心身に負荷がかかって亡くなる災害関連死は、石川県内で147人が認定され、さらに23人の認定が決まっている。