「正しい知識を」ハンセン病問題を考えるシンポジウム初開催 18日に琉球新報ホール 沖縄・那覇


「正しい知識を」ハンセン病問題を考えるシンポジウム初開催 18日に琉球新報ホール 沖縄・那覇 シンポジウムへの参加を呼びかける平良仁雄さん(左)と糸数公保健医療介護部長=10日午後、県庁
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 「第1回県ハンセン病問題シンポジウム」が18日午後2時から4時半まで、沖縄県那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれるのを前に、主催する県の糸数公保健医療介護部長と、沖縄ハンセン病回復者の会共同代表の平良仁雄さん(85)が10日、そろって県庁で記者会見し「多くの県民に正しい知識を持ってほしい」と、シンポジウムへの参加を呼びかけた。

 ハンセン病患者に根拠のない隔離を強いてきた「らい予防法」は1996年に廃止されたが、差別や偏見は根強い。シンポジウムは、実効性がある啓発を要望されてきた県が主催。当事者や県の担当者、専門家、支援者ら15人でつくる県ハンセン病問題解決推進協議会で内容を検討してきた。

 会見で糸数部長は、厚生労働省による意識調査で「ハンセン病に偏見や差別の意識を持っていると思う」との回答が35・4%あったことを挙げ、「啓発が届いていない。回復者や家族に寄り添った取り組みを続けていきたい」と述べた。厚労省調査では、回復者や家族と同じ浴場に入ることや、家族が結婚することに抵抗感があるとの回答が約2割あった。

 平良さんは「らい予防法は廃止されたが、回復者の心を痛め続けている。ハンセン病問題とは何か、私たちがどんな思いでいるのか、知っていただきたい」と訴えた。

 当日は、平良さんや回復者の家族が体験を語り、さらに糸数部長らも交え、共生社会をテーマに話し合う。

 俳優の東ちづるさん、お笑い芸人のせやろがいおじさんと、まーちゃんが寄せたビデオレターも披露される。

 入場無料。ライブ配信あり、https://www.youtube.com/live/kANmCNrpF3oから視聴できる。

(宮沢之祐)