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学生情報沖縄破産 会社から音沙汰なく 賃金未払い「生活苦しい」


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 学生へアルバイトのあっせんを行っていた「学生情報沖縄」(宜野湾市)が破産した。債権者862人のうち、814人は賃金を受け取っていない派遣労働者で、大部分が学生とみられる。賃金未払いの一人は「8万円の賃金が支払われず、生活が苦しくて必死にやりくりした。同じ思いをしている人はたくさんいるはずだ」と肩を落とした。 

 登録していた学生によると、給与は現金払いで、原則、アルバイトをした翌月の20日に同社で受け取る仕組みだった。今年3月まで同社に登録し、飲食店などでアルバイトをしていた女性(22)は、3月下旬に給与を受け取りに行った際に「こちらでは用意できない。用意ができたら連絡する」と言われたが、その後音沙汰はなく、同社の公式ラインで破産手続きを知った。

 約1万5千円を受け取れておらず、「早く払ってほしい。友人の多くも給与を受け取れていない」と訴える。女性によると、数十万の給与を受け取っていない学生もいるという。女性がアルバイト先の企業に給与未払いについて聞いたところ、「こちら側は給与を支払っている。学生情報沖縄側の経営状況が悪いと聞いている」と説明された。

 同社に登録し、アルバイトをした大学3年生の男性(21)は8万円の賃金が未払いのままだ。受け取れないと知った時は、「クレジットカードの引き落としが大丈夫か不安だった」という。必死にやりくりして何とか乗り切ったが「受け取りはもう諦めた」とこぼした。

 (玉城文、吉田健一)

学生情報沖縄からLINEで送られてきた、解雇と給与支払い困難と記された派遣アルバイト宛ての文書(画像は一部加工しています)