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<ひと>情報を防災につなげたい 沖縄気象台長に就任した 太原芳彦さん


<ひと>情報を防災につなげたい 沖縄気象台長に就任した 太原芳彦さん  太原 芳彦さん
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 優希

 気象庁総務部企画課長から沖縄気象台長に1日付で就任した太原芳彦(たはらよしひこ)さん。かりゆしウエアに身を包み、初めての沖縄勤務に「外国にいるような気分」と笑顔だ。就任早々、県内に津波警報が発表され「驚いた」と話すが、業務や避難者受け入れはスムーズで「頼もしい職員がたくさんいる」と感じた。

 東京工業大学で電気電子工学を学んだのち、スーパーコンピューターがやりたくて1993年に気象庁に入り、高松地方気象台に配属された。数値予報で念願のコンピューターを扱い楽しくて仕方なかった。

 高松では、梅雨明け以降雨が降らず、貯水率ゼロを経験した。一時、水が使えるのは1日4時間になったが、台風が助け舟になった。沖縄でも雨が降らず貯水率が心配されているが「梅雨でちゃんと降ってくれれば」と水不足解消を願う。

 年間の降水量は毎年ほぼ変化はないが、雨の降り方が変わっているという。一度に降る雨の強さが30年前より1・5倍ほど強くなっているとして「災害が起きやすくなっている」と指摘する。

 沖縄では「情報を出すだけでなく、情報を使ってもらい防災につなげる取り組みをしていきたい」と意気込む。

 趣味はツーリング。息子が実家を出る際に置いていった自転車をきっかけに始めた。前任地の東京では毎週末、河川敷を走っていた。今年は「ツール・ド・おきなわ」への出場を目指している。広島県生まれ、茨城県育ち。妻と息子2人、孫が3人いる。泡盛好きで、最近はおいしい泡盛を手に入れたいと思っている。56歳。

 (中村優希)