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沖縄の「無電柱化」率は九州1位 「南米に事務所」調査を検討 離島8村に調整池整備へ 県議会代表質問


沖縄の「無電柱化」率は九州1位 「南米に事務所」調査を検討 離島8村に調整池整備へ 県議会代表質問 沖縄県議会
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 沖縄県議会代表質問が3日、始まり、沖縄・自民とてぃーだ平和ネットの4氏が登壇した。県系人が多い南米に県の連絡事務所を設置する考えがあるか問われた玉城デニー知事は「現在沖縄と南米とのニーズの把握、交流促進や経済発展につなげる可能性調査の実施を検討している」と述べた。今後、庁内関係部局やJICA沖縄、現地県人会と意見交換を重ねる。照屋義実副知事が8月に南米を訪問した際、ブラジル沖縄県人会から県連絡事務所の設置を要望された。末松文信氏(沖縄・自民)への答弁。

 県が8月に実施した米軍普天間飛行場の航空機騒音測定で、騒音発生回数は前月比約44%(2258回)増の7437回だったことを明らかにした。うち午後10時から午前6時までの夜間早朝も同約32%(104回)増の432回だった。溜政仁知事公室長は「負担軽減と逆行する状況にある」と述べた。玉城健一郎氏(てぃーだ平和ネット)への答弁。

 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に反発し、中国が日本の水産物の輸入を停止している問題で、宮城嗣吉文化観光スポーツ部長は、既に中国へ輸出した県産モズクの一部が販売できない状況にあると明らかにした。宮城氏は「輸出事業者などの要望を踏まえた上で国の支援策の適用など、県内水産業界への風評被害の影響が最小限にとどまるよう適切に対応する」と述べた。照屋大河氏(同)への答弁。

 金城敦企画部長は24年度から那覇空港の駐車場を拡張することを目指していると明らかにした。金城氏は「那覇空港では現在、利用客の増加に伴い駐車場不足が課題となっている」と説明した。仲村家治氏(沖縄・自民)への答弁。

 (梅田正覚、與那原采恵)

(左から)末松文信氏 仲村家治氏 照屋大河氏 玉城健一郎氏

離島振興 離島8村に調整池整備

 松田了企業局長は給水確保と断水を防止するため、水道広域化事業に参画する離島8村に約3日分の水をためられる調整池を建設する方針を示した。伊是名村では台風6号の影響で、浄水場が8月1日から約102時間停電し、740戸で断水が発生するなど被害が大きかったと説明した。同村では2023年度に工事に着手し、24年度末の完成を目指すとした。末松文信氏(沖縄・自民)への答弁。

 (梅田正覚)


土建 無電柱化率 九州1位

 前川智宏土木建築部長は県内の無電柱化率が全国で8位、九州では1位だと答弁した。「新・沖縄21世紀ビジョン実施計画」で2024年度までの整備目標約180キロに対して、22年度末までに約172キロが完了しているとした。

 前川部長は整備に関して、電線管理者等、関係者の理解・協力が不可欠であるとし「引き続き関係者との合意形成に務め、無電柱化を推進していきたい」と述べた。

 県は防災性の向上や、良好な景観形成等を目的に1991年度から無電柱化事業に着手している。末松文信氏(沖縄・自民)への答弁。

 (與那原采恵)


米軍PCB 未処理残り15個

 多良間一弘環境部長は3日、県内の米軍基地で使用されたポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物について、蛍光灯安定器3960個が2日に中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)北九州PCB処理事業所に搬入されたとの報告を受けたことを明かした。残る低濃度PCB含有機器15個はドラム缶に入れて保管されており、本年度中に処分予定という。

 本年度、沖縄防衛局から県に提出された届け出書によると、県内の米軍基地5施設でPCB含有機器3977個、PCBを含む油442キログラムが保管されていた。PCB含有機器2個と油442キロは22年度内に処分が完了した。

 照屋大河氏(てぃーだ平和ネット)の質問に答えた。

 (慶田城七瀬)