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有事の自衛官への輸血で「有識者会議」を発足 沖縄など南西諸島での運用想定 防衛省


有事の自衛官への輸血で「有識者会議」を発足 沖縄など南西諸島での運用想定 防衛省 防衛省(資料写真)
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 【東京】防衛省は6日、有事に負傷した自衛官への輸血について話し合う有識者会議を発足させた。特に輸送手段が限られる南西諸島での運用を想定する。米軍が取り入れている血小板を残した血液製剤の有用性や自衛隊の運用実現に向けた必要事項を話し合った。

 補給が途絶えた離島などで血液製剤が枯渇する展開も想定し「最終手段」として隊員間で輸血できるよう体制や手順書などをあらかじめ用意する案が上がった。10年間保管できる凍結した赤血球液も2027年度までに一定量を確保しようと、日本赤十字社と調整を進めているという。

 今後、有識者会議は、現場視察やさらなる協議を重ね、本年度内に防衛省への提言をまとめる。

 現状では国内で血液製剤を供給しているのは日本赤十字社のみ。自衛隊は独自で隊員に使用するための血液製剤を製造して備蓄する方針を打ち出している。

 米軍が使用する血液製剤を参考に、自衛隊中央病院が研究を進めており、将来的に米軍との相互運用も目指している。

 (明真南斗)