九州・沖縄の自衛隊や在日米軍の施設を中心に、離島防衛を想定した陸上自衛隊と米海兵隊の大規模実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」が14日、始まった。31日まで。上陸した敵部隊との戦闘をはじめ、負傷者搬送や基地警備など広範な内容で、有事に際した日米間の連携を確認する。陸自輸送機V22オスプレイが初めて沖縄県・石垣島に飛来する計画もある。
陸自によると、参加部隊は、日本側が九州・沖縄を管轄する西部方面隊が主力の約5千人、米側が沖縄に拠点を置く部隊などの約1400人。
熊本県の健軍駐屯地で14日実施された開始式の訓示で、西部方面総監の山根寿一陸将は「日米の相互運用性を向上させ、今事態が発生しても共同で対処できる体制を確立しなければならない」と強調した。
米第3海兵兵站群司令官のアダム・チョークリー准将は「この訓練は、脅威に対してわれわれが抑止対処する能力があると披露する場でもある」と述べた。
太平洋戦争で苛烈な地上戦があった沖縄県では、再び戦場となることへの懸念の声が上がった。第4次嘉手納爆音訴訟原告団の団長新川秀清さん(86)は「軍隊は住民を守らない。訓練は戦争の準備だ」と訴えた。
訓練は熊本、沖縄の他、北海道、大分、宮崎、鹿児島各県の演習場などで実施する。
(共同通信)