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離島を拠点に活動する「第12海兵沿岸連隊」、11月15日に発足 在沖米海兵隊 基地負担増の可能性 


離島を拠点に活動する「第12海兵沿岸連隊」、11月15日に発足 在沖米海兵隊 基地負担増の可能性  伊江島で行われた「EABO」訓練で、オスプレイに乗り込む米兵ら=2021年4月16日、米軍伊江島補助飛行場(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 在沖米海兵隊は17日、県内に駐留する海兵隊の第12海兵連隊を改編し、離島を拠点に機動的に活動する「第12海兵沿岸連隊(MLR)」を11月15日付で発足させると発表した。海兵隊は小規模な部隊を分散させて離島などに臨時の拠点を設けて戦う「遠征前方基地作戦(EABO)」に取り組んでおり、MLRはその中核を担う。離島での訓練の実施などによって、沖縄の基地負担の増加につながる可能性がある。

 1月に開かれた日米外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で2025年までにMLRへと改編すると発表していた。

 ハワイを拠点とする第3海兵沿岸連隊に次いで二つ目のMLRとなる。海兵隊は11月15日にキャンプ・バトラーで改編に伴う式典を開催する。

 防衛省によると、従来の第12海兵連隊は、高機動ロケット砲システム「ハイマース」などを使う砲兵部隊だが、MLRへの改編に伴って配備兵器が地対艦ミサイルに代わる。部隊規模や指揮系統は改編後も変わらない。部隊は約2千人で、第3海兵遠征軍第3海兵師団下に置かれる。

 米海兵隊は17日に発表した声明で、MLRへの改編により沖縄に新たな部隊が加わるものではないとした上で「現代のグローバルな安全保障環境の課題に効果的に対応できる部隊を設計するためだ」と理由を説明した。

 14日から始まった日米共同演習「レゾリュート・ドラゴン23」でも、既存の第12海兵連隊がMLRに近い役割で配備されるとしており、すでにMLR化を前提にした訓練を実施しているとした。

(明真南斗、知念征尚)