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「米支援なければ敗北」 ゼレンスキー氏 侵攻2年、団結訴え


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 【キーウ共同=小玉原一郎】ロシアによるウクライナ侵攻開始から24日で2年となった。ゼレンスキー大統領は映像を公表し「われわれは独立のために戦っている。そして勝利する」と述べ、ロシアが前線で攻勢を強める中で国民に団結を呼びかけた。首都キーウ(キエフ)近郊ホストメリで行われた式典には、ゼレンスキー氏のほか先進7カ国(G7)議長国イタリアや、カナダ、ベルギーの首相らが参加し、連帯を示した。 (7面に関連)

 ゼレンスキー氏は23日、西部リビウで米上院民主党トップ、シューマー院内総務ら米議員団と会談し、追加の軍事支援を要請した。シューマー氏によると、ゼレンスキー氏は「米国の重要な支援がなければ、戦争に敗北する」と述べ、危機感を表明した。
 バイデン米大統領は23日、ウクライナを「放っておくわけにはいかない」と述べ、支援継続の重要性を強調。米議会で共和党の一部反対により滞っている約600億ドル(約9兆円)のウクライナ支援を含む緊急予算案を「承認しなければならない」と迫った。
 24日にキーウ入りしたのは、イタリアのメローニ首相、カナダのトルドー首相、ベルギーのデクロー首相、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長。フォンデアライエン氏は「ウクライナを支持する」とX(旧ツイッター)に投稿した。
 ゼレンスキー氏は23日、リビウでデンマークのフレデリクセン首相とも会談。安全保障協力に関する2国間協定に署名した。英国、ドイツ、フランスに続いて4カ国目。G7以外では初めて。
 国連では23日、総会会合と安全保障理事会の緊急公開会合が開かれた。侵攻1年の昨年は、国連総会でロシア軍の即時撤退を要求する決議案を採択したが、今年はいずれの会合でも決議案は提出されず、関心低下を懸念する声が上がった。
 日本や米国、欧州など50を超える国と機関が「ロシア軍の即時撤退」を求める共同声明を発表。ロシアのネベンジャ国連大使は総会で「特別軍事作戦の目的は達成されるだろう」と侵攻継続の考えを強調した。