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子ども、教育への取り組みは?県経済の自立は? 沖縄県議選へ政党・会派が座談会 2/3


子ども、教育への取り組みは?県経済の自立は? 沖縄県議選へ政党・会派が座談会 2/3 イメージ
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<子ども・教育>

教員志望の支援拡充 平良識
正規教員割合100%に 山川泰博氏

平良 識子氏

 ―深刻な子どもの貧困問題と教員不足問題への対応は。

 平良識 国連の子どもの権利条約を踏まえ、子どもの最善の利益を第1に考えた支援に取り組む。教員不足は正規職員の定数枠を引き上げるため、教員志望者への奨学金や助成金の提供、教員養成プログラムを拡充する。

 山川 ミルク代、オムツ代、米代、習い事、医療費などに使えるようにクーポン券を発行する。教員不足は正規教員の割合を100%にすること、少人数学級の実現、健康経営を徹底した働き方改革と学校経営を提案する。

 平良昭 玉城県政は就学援助の拡充、給付型奨学金制度、中学校卒業までの医療費無料化、中高校生バス無料化などを実現した。教員不足は県内大学との連携に重点を置き、大学2~3年から教育実習制度を導入するなど改革が必要だ。

 島袋 困窮世帯の割合は2020年から悪化し、児童虐待相談件数も増加、待機児童数は全国ワーストだ。県政の子育て福祉政策は失敗だ。教員不足は副業兼業といった就労環境の変化にも対応しながら多様な人材確保を行う必要がある。

 鶴渕 義務教育の完全無償化は憲法26条の要請といえる。県政は独自の予算を組んで教育を前進させた。教員不足の原因は小泉政権で教職員の国庫負担が3分の1に改悪されたことにある。国庫負担を2分の1に回復させる必要がある。

 仲村 日本は教育に関する公的支出が先進国で最下位だ。経済的理由で学びに格差を生じさせないように大学の無償化、奨学金の減免に取り組む。教員不足問題には少人数学級や教科担任制の実現などの具体的な改革を後押しする。

 宮城 親の経済的問題と労働条件環境、ひとり親の多さなどが子どもの貧困の原因だ。ひとり親支援などを強化する必要がある。教員不足の原因は業務削減と簡素化が進む一方、採用枠拡大のスピードが遅いことだ。解消に力を尽くす。

 金城 公明党の提言を踏まえて政府はこども未来戦略を策定した。これまでに保育の無償化、高等教育の実質無償化、給付型奨学金の創設または拡充などを進めてきた。教員不足問題は過重な業務量の軽減に努めるべきだ。


<県経済の発展>

LRT導入を後押し 平良識子氏
自然守り観光優位に 仲村未央氏

山川 泰博氏

 ―沖縄経済の自立、発展への方策をどう考えるか。

 金城 観光業復活に尽力しコロナ禍前を超える活気を取り戻す。物価高騰で第1次産業の支援策は喫緊だ。EVなどものづくりの振興、鉄軌道導入、国連機関や国立自然史博物館誘致にも強力に取り組むべきだ。

 平良識 那覇市で取り組まれているLRT導入は玉城県政も推進するとのことで早期実現を後押したい。那覇にある自衛隊基地の返還、跡地利用を経済振興の新たな起爆剤として、県政にも取り組むよう働きかける。

 山川 ものづくりをリーディング産業へ押し上げる出口戦略として、デジタルを活用した海外配送越境ビジネスで沖縄の商品を簡単に取引できる仕組みを構築する。誘客や観光産業に大きな貢献を与えると考える。

 平良昭 新・沖縄21世紀ビジョンに基づき、誇りある豊かな沖縄の未来につながる取り組みが強くしなやかな自立型経済の構築を目指すことになる。マリンタウン大型展示場整備事業も県経済発展の起爆剤になる。

 島袋 強い沖縄経済を支える1次産業の強靱化を図る。自然環境と共生し世界に冠たる沖縄観光の新たな価値と魅力を創造する考えの下で、観光者や事業者、行政が複眼的に施策を展開できる体制を構築したい。

 鶴渕 亜熱帯性気候の特徴を生かし、第1次産業を県経済発展の柱に位置付ける。振興予算が本土に還流する仕組みから脱却し県内で循環する仕組みが必要だ。生活密着型の公共事業や地元産業の振興育成を進める。

 仲村 普天間基地返還、鉄軌道・バス網再編、教育無償化、物流・人流基盤や島々に暮らす県民を守るライフライン整備、自然を守り地域の文化・営みを大切にすることで観光地としての可能性、優位性は高まる。

 宮城 アジアのめざましい経済成長とシンクロしていくことを考えている。沖振法では、地理的な不利性に関する措置はやはり大切だ。建設業で県内企業が優先的に受発注できる仕組みをつくれたらと考える。