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元陸将の番匠氏 那覇市内で講演 抑止力の重要性強調


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 元陸上自衛隊西部方面総監(陸将)の番匠(ばんしょう)幸一郎氏が8日、那覇市内で行われた沖縄経済同友会の7月例会で「日本を取り巻く戦略環境とこれからの安全保障」と題して講演した。質疑応答で、台湾で有事が発生する「台湾危機」について「第一に南西地域の防衛体制をしっかりすることで相手は手出しできなくなる」と話した。経済界も含めて、事業継続計画(BCP)の策定や民間人の避難について平時から訓練することも抑止力につながるとした。
 第二次大戦後の冷戦構造が崩壊し、中東を中心としたテロとの戦いを経て「アジアに世界の安全保障の正面が来ている」と表現した。
 世界の現状は決して平和、安全なだけではないとして「いかに戦わずに勝つか、それが抑止だ。努力をしなければ相手に見透かされる。手を出せば痛い目にあうからやめようと思わせることが重要だ」と抑止力の重要性を強調した。(沖田有吾)