【交差点】大連のソフトウエアパーク


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 大連市の西南郊外、市内から車で20分のところに大連ソフトウエアパークがある。牛角山の頂に立てばパークが一望できる。三方が丘陵地に囲まれ、パークの向こうは黄海が広がる。ここは以前は主に果実を栽培していた山家村で、1998年にパーク建設の土地造成が始まり、現在9号館まで完成した。大連松下通信などの日本系企業をはじめ、多国籍の企業が入園している。ある企業の代表は入園した理由を、珠海、上海、北京と調査をした上で、治安が良くインフラが確立していること、さらに行政のソフトウエア産業に取り組む熱意を挙げて、スムーズに会社設立ができたと説明する。

 ここは特に、人材教育に力を入れる。国内で最初で唯一の民間のIT大学が開学され、ほかにも複数の専門学校がある。在校生は9千人を超え毎年、英語、日本語、韓国語など多言語を習得したIT技術者2千人を送り出している。
 国連環境5百都市に選ばれている大連のソフトウエアパークは、自然と文明の調和を取りながら人材、物流、行政、市場開発など体系化されたサービスを提供し、規模と現状は上海浦東や北京中関村より進んでいるといわれている。入園企業には黒字になってから2年間の税金免除や、その他の優遇措置がある。かつての果樹の里は現在、北アジアのシリコンバレーを目指して第2期の工事が進められている。
 (池宮城克子 大連外国語学院講師・ウチナー民間大使)