「交換留学へ基金を」県人会長ら提言 大会きょうフィナーレ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 第5回世界のウチナーンチュ大会は15日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで「ワールドウチナーシンポジウム」を開き、海外の県人会長やウチナー民間大使らが「ウチナーネットワークを担う人材育成について」をテーマに活発に議論した。その結果、海外県系人子弟と沖縄の若者を派遣し合う交換留学の実施など人材育成に役立てる「万国津梁(しんりょう)基金」制度の設立を、仲井真弘多県知事に提言することを決め、上原良幸副知事に提言書を手渡した。

これを受け、県は制度創設に向け、県内の企業や市町村などを巻き込みながら先頭に立って取り組みを推進する方向で調整に入った。大会は16日に最終日を迎え、午後5時から閉会式が行われる。
 基金制度は県内の産学官各分野と海外県系人が一致団結し人づくりに取り組むとして100億円の基金を目指す。これを基に、海外県系子弟を受け入れる県費留学や、県系人子弟が県内の中高生と一緒に沖縄の文化などを学ぶジュニアスタディーツアー事業を拡大する。
 シンポの参加者は、文化、ビジネス、学術など幅広い分野で交流を促進し若者を継続的に育成するため、長期的視野を持ち、県内の産学官、県民、海外県人会、民間大使、世界中の県系人ぐるみによる「人づくりが必要」との認識で一致した。
 沖縄ヒューマンキャピタル代表の金城和光氏はグローバル時代の世界事情を説明した上で「県内の若者の9割は内向き志向。私たち沖縄から海外県系人に教えてくださいと出掛けていく時代だ」などと指摘。海外の県人会長らは「沖縄の親や教育者は、もっと頑張って子どもたちに沖縄の文化や言葉、歴史を教えてほしい」と強く要望した。