失語症、笑顔でリハビリ 患者ら名護で宿泊研修


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
リハビリも兼ねた自己紹介で笑いを取る山城良辰さん(前列右)=3日、名護市のホテルゆがふいんおきなわ

 【名護】脳卒中などの後遺症で失語症を患う患者が回復を目指して集い、リハビリする宿泊研修会が3日、名護市のホテルゆがふいんおきなわで行われた。県失語症友の会や「デイサービスくばの葉」の協力の下、患者15人とその家族らが参加した。

 自己紹介で参加者は、趣味や名前などを述べた後、自分にかわいらしいあだ名をつけ、笑いを誘った。その後、言語聴覚士の岸本むつみさんが、言葉の抑揚や母音の発音がリハビリにつながると説明。一人一人にマイクを向け、人の笑い方をみんなでまねしてみるなど、参加者全員のペースに合わせて、全員で発音のリハビリを行った。
 参加した山城良辰さん(62)は「参加することでいろいろな意見が聞ける。みんなと考え、笑ったり泣いたりすることは一人ではできない」と、ゆっくりと語った。
 2000年に脳内出血により失語症になった上原博さん(70)の介護を続ける妻の悦子さん(62)は「初めは夫の言ってることが理解できず、いらいらしたが、当事者や家族が集まり、情報交換することで、自分だけじゃないと分かり、安心できた。失語症はリハビリを続ければ改善すると聞いているので、諦めないことが大事」と語った。
 同会の大城貴代子事務局長は「集団のリハビリは効果が期待できる上、同じ境遇の人が集まることで情報交換も行える。外泊の支援は大変だが、当事者と家族にとってとても意義がある」と語った。
 4日は、オリオンビール名護工場の見学などが行われた。