八重干瀬・津波石群が国天然記念物に


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 国の文化審議会は16日、宮古島市の「八重干瀬(やびじ)」を国名勝・天然記念物、石垣市の「石垣島東海岸の津波石群」を国天然記念物へ指定するよう、田中真紀子文部科学大臣に答申した。県内の国史跡名勝天然記念物は、97件となる。

 「八重干瀬」は、宮古島市池間島の北方約5~22キロに位置し、南北17・0キロ、東西6・5キロにわたって広がる国内最大のサンゴ礁群。天然のサンゴ礁群としては初の指定で、「琉球列島の海岸を特徴づけるサンゴ礁の一つであるとともに、わが国最大の台礁群」として、名所的・学術的価値が高いと評価された。
 「津波石群」は、1771年に発生した明和の大津波と、約2千年前に発生した先島大津波によって打ち上げられた四つの津波石。津波の驚異を具体的に伝える津波石としては初の指定で「地震常襲地帯のわが国において津波災害を具体的に伝える津波石として重要」と評価された。
 審議会は、県内の2件を合わせ全国から史跡名勝天然記念物の新指定17件、追加指定等19件、登録記念物の新登録3件、重要文化的景観の新選定1件、追加選定1件が答申された。近く答申通り告示される。

英文→Yabiji coral reef community and tsunami stones designated as natural treasures

国名勝・天然記念物に指定された「八重干瀬」=宮古島市(同市教育委員会提供)
国天然記念物へ指定された「石垣島東海岸の津波石群」=石垣市(同市教育委員会提供)