コラソン追撃届かず 大崎電気に26―31


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本ハンドボールリーグの琉球コラソン(5位)は24日、浦添市民体育館で首位の大崎電気(11勝)と対戦し、26―31で敗れた。

通算4勝6敗1分けで順位は変わらない。コラソンは前半、相手の速攻などでリードを許すと、CB東長濱秀作の退場の間に差を広げられる苦しい展開。GKからロングパスを通され、速攻で走られるなどして前半を9―16で折り返した。後半は守備ラインを上げたコラソンが、大崎のミスを誘い、得点につなげる展開。最大8点差から2点差まで迫ったが、終盤は地力で勝る大崎に連続得点を許し逃げ切られた。25日は、同体育館で6位の大同特殊鋼(4勝6敗1分け)と対戦する。

大崎電気(12勝)
31―26(16―9,15―17)
琉球コラソン(4勝1分け6敗)

 【評】コラソンは前半、警戒していた大崎の戻りの速さに苦しめられ、差を広げられた。ペナルティーを多く取られ、大崎より退場や7メートルスローが多くなったことも試合を苦しくした。後半に3―3の守備陣形をより高めにしたことで、大崎のミスを誘い得点につなげたが、試合の入り15分の動きとシュート精度の差が明暗を分けた。(新垣梨沙)

あすの1戦に賭ける
 東長濱秀吉監督の話 後半は自分たちのペースでいい試合ができたが、前半の7点ビハインドが響いた。PO進出に向けて、とにかく25日の大同戦は落とせない。両サイドに走り負けないようにしたい。とにかく、あすの1戦に賭ける。

◆序盤のミスが響く
 敗戦の中にもいくつか収穫はあった。激しく足を動かして高めに守る攻撃型守備を敷き、相手のミスから走り込む「逆速攻」で村山裕次らが次々得点。相手を振り切り、速攻でもシュートを決めた。個々の能力の高さと戻りの速さで勝る大崎に最後は5点差を付けられたものの、最大8点差から2点差まで詰め寄る粘りの守備は、上位陣と十分戦える手応えを感じさせた。
 GK石田孝一の堅守も相変わらずで、ノーマークを含む15本をセーブ。失点は31点で大崎の1試合平均得点33・7得点を下回った。
 だが、前半15分で点差を付けられすぎた。ミスに加えてペナルティーを取られる数も多く、退場になったり、7メートルスローを与えて試合を苦しくした。後半の得点は17―15と大崎より2点多かっただけに、CB東長濱秀作は「試合の出だしの怖さを実感した」と反省する。
 シュートミスも多かった。打ったシュート56本のうち、決まったのは26本。大崎は50本中31本。シュートを外して逆に失点をする手痛い場面もあった。
 25日は大同特殊鋼戦。村山は「絶対負けられない。安定している守備で苦しめたい」と意気込む。水野裕紀主将は「シュートチャンスでしっかり決めることができればいける」と、プレーオフ進出を争う大同との戦いを見据えた。
(新垣梨沙)

◆1年ぶりに地元で勇姿 大崎の東長濱と石川
 大崎電気は、東長濱秀希(興南高―日体大出)と石川出(同)が共にスタメン出場、1年ぶりに地元ファンに勇姿を見せた。石川が1得点、東長濱はチーム最多の6得点を挙げた。
 東長濱は兄でコラソンのCB秀作とマッチアップする場面も。兄弟対決に会場も沸いたが「意識はしていなかった」と涼しい顔。
 昨季はリーグを制しながらPOで敗れた。今季はリーグ無敗で、昨季より1カ月早くPO進出を決めた。石川は「全勝に向け残りの試合も勝つだけ」ときっぱり。「全勝でもタイトルを取らなければ意味がない」と東長濱。残る4試合と来月の全日本総合選手権に向け、2人は気を引き締めていた。

琉球コラソン―大崎電気 激しい守備を振り切ってシュートに持ち込むコラソンのCB東長濱秀作。チーム最多の9得点を挙げた=24日、浦添市民体育館(諸見里真利撮影)
チーム最多の6得点を挙げ、勝利に貢献した大崎の東長濱秀希