劇「普天間」 地元で公演 基地問題の現状放置問う


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地元・宜野湾市で演じられる青年劇場「普天間」の一場面=20日、宜野湾市民会館

 【宜野湾】沖縄戦体験や、米軍事件・事故と絡めながら普天間飛行場をはじめとする米軍基地問題を描いた青年劇場の「普天間」公演が20日、宜野湾市民会館であった。同飛行場がもたらすさまざまな重圧をじかに知る市民は、舞台上で展開される生々しい物語を真剣な表情で見入っていた。

 物語は元基地労働者が定年後に始めた移動式サンドイッチショップを取り囲み、登場人物が沖縄戦やその後の米軍統治、基地被害をめぐって意見をぶつけ合う。
 27年間の米軍統治や安保条約・地位協定など米軍基地問題の根幹を見詰めながら「沖縄の現状を放置してよいのか」と問い掛ける。
 普天間飛行場をめぐる問題についても、名護市辺野古移設の是非を問うた1997年の住民投票や、2004年の沖国大の米軍ヘリ墜落事故などの具体的な出来事を織り交ぜ物語が展開。登場人物の発言を通じて普天間問題の深刻さをあぶり出した。
 1996年の返還合意から16年もほんろうされ続ける宜野湾市民は、強いリアリティーを感じながら観劇した。
 飛行場近くに住む花崎夢乃さん(18)=コザ高校3年=は「生まれたときから近くに住んでいて基地問題に関心があるが、知らないことがたくさんあり勉強になった。関心がない人たちにも伝えていきたいと思った」と話した。