「枯れ葉剤、証言を」 中村さん講演、日本政府の対応批判


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枯れ葉剤被害について語る中村梧郎さん=12月26日、名護市労働福祉センター

 【名護】枯れ葉剤被害を長年取材しているジャーナリストの中村梧郎さんの講演会「米軍は沖縄で枯葉剤を使用した?」(ヘリ基地反対協議会主催)が12月26日、名護市労働福祉センターで開かれた。

 中村さんは、米国の予算で枯れ葉剤汚染を浄化させているベトナムの事例などを紹介。沖縄での枯れ葉剤使用について、日本政府が米側の主張をうのみにして調査しないことを「世界の常識では汚染者に浄化する責任がある。日本政府が毅然(きぜん)とすれば問題は解決する」と批判した。
 中村さんは1980年代に沖縄の業者から「米軍から除草剤が手に入った」という話を聞き、沖縄での枯れ葉剤使用を調べたが、確証は得られなかったという。「今は米軍人の証言はそろっている。後は沖縄の住民の証言が必要だ」と指摘し「県内各地で写真展ができれば、証言が出てくるのではないか。協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
 また、ベトナム戦争で韓国兵も枯れ葉剤被害を受けたことを紹介。「アジアの戦争はアジア人にやらせるというのが米軍の考え方で、韓国兵は最前線に送られた。自衛隊のイラク派遣のとき、憲法9条があるから最前線に行かされず助かった。もし9条がなければ激戦地に行かされる」と改憲に警鐘を鳴らした。