東松照明さん死去 沖縄、長崎を撮影写真家


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東松照明さん

 戦後日本を代表する写真家の一人、東松照明(とうまつ・しょうめい、本名=てるあき)さんが昨年12月14日午後0時50分、肺炎のため那覇市内の病院で死去した。82歳。故人の遺志により7日に公表され、葬儀は近親者で済ませた。

喪主は妻泰子(やすこ)さん。名古屋市出身。自宅は那覇市。
 20歳から写真を撮り始め、愛知大学卒業後に岩波写真文庫を経てフリーに。1959年から全国の米軍基地周辺を取材。占領シリーズの最後の地として、69年に沖縄を初めて訪れて「OKINAWA 沖縄 OKINAWA」を刊行した。
 72年の復帰の日を那覇で迎え、そのまま在住。73年には宮古でも7カ月間滞在した。沖縄に深い思いを寄せ、県内の写真家に大きな影響を与えた。沖縄の写真集に、宮古などの島々を撮った「太陽の鉛筆」「光る風 沖縄」がある。
 長崎の被爆者を撮影した写真集でも注目された。90年代後半から長崎市に拠点を移し、2年前から沖縄で生活した。2002年に浦添市美術館で「東松照明写真展 沖縄マンダラ」、11年9月には県立博物館・美術館で「東松照明と沖縄 太陽へのラブレター」を開いた。