自分の道は自分で開け~♪ 小禄さん、79歳でCDデビュー


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79歳でCDデビューした小禄玄信さん=那覇市国場の自宅

 那覇市国場の小禄玄信さんは昨年、79歳にしてCDデビューを果たした。自らの信念や歩みが表現された「人生男道」と、母親への思いを切々と歌う「母のぬくもり」の2曲が収録され、日本クラウンから発売された。

 2008年に直腸がんを患い、きつい闘病生活を送った小禄さん。家庭裁判所調査官を定年退職した後、更生保護施設「がじゅまる沖縄」の設立運営に奔走していた日々でストレスがたまっていたことに気付いた。「これからはリラックスして前向きに生きよう」と健康維持も兼ねてボイストレーニング教室に通い始めた。
 もともと歌は得意だったといい、教室で指導する仲宗根健さんの提案で、CD制作をすることに。小禄さんの経歴資料や聞き取りを基に、仲宗根さん作詞、作曲家の宮川つとむさん作曲で「人生―」が完成した。
 〈港カモメが見送る船に 大志を抱いて俺は行く 自分の道は自分で開け〉
 小禄さんが信条としている「根気と忍耐、おのずと開く」との思いが込められ、歌っているときは、生まれ故郷の宮古島を離れて那覇に出てきたころのことも思い返されるという。
 「母の―」は沖縄市文化協会歌謡部の中みちるさんが作詞。小禄さんの柔らかな歌声と優しく呼び掛けるような歌詞が調和し、妻の昌子さん(74)の友人ら女性に評判がいいという。
 CDはほとんど友人や知人の手に渡った。小禄さんは「まだ恥ずかしい気持ちのほうが大きいが、『俺もやってやろう』と若い連中の励みになれば」と笑う。