1件当たり被害480万 県内「特殊詐欺」36件


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 県警安全なまちづくり推進課は15日、2012年の振り込め詐欺などを含む「特殊詐欺」の認知状況を公表した。

県内の「特殊詐欺」の認知件数は36件で、11年の16件から約2倍となり、振り込め詐欺を含めた特殊詐欺の被害額は1億7271万円で、1件当たりの被害額は480万円と、統計を取り始めた04年以降、最高となった。特殊詐欺の被害に遭った人のうち、60歳以上が64%を占めており、県警は留守番電話の導入や「1人で決めず、必ず家族や友人、警察などに相談してほしい」と注意を呼び掛けている。
 「特殊詐欺」は「振り込め詐欺」と「それ以外の特殊詐欺」に分けられる。「それ以外の特殊詐欺」に含まれる「金融商品取引詐欺」では、被害総額が13件で1億4256万円(前年比9件、1億2064万円増)と急増。13件のうち8件は過去にも投資被害に遭った再被害者だった。「金融商品取引詐欺」の事案では、「外国紙幣を購入すれば、日本円と交換した際に利益が出る」と犯人グループに持ち掛けられ、総額約5千万円以上の現金を振り込んだ事案や「外国の油田開発に投資すれば必ずもうかる」などと偽った投資詐欺が発生した。その他、「ロト6の当選番号を教える」などと偽ったギャンブル必勝法情報提供を目的とした詐欺が5件で1718万円の被害(前年比3件、1590万円増)があった。
 一方で、「振り込め詐欺」では、4年ぶりに医療費や保険料の返還をうたった「還付金詐欺」が10件発生。被害総額は約812万円に上った。県警は還付金詐欺の手口を県民が忘れてきたころを狙った犯行と分析。安易に振り込みなどを行わないよう注意を呼び掛けている。