暴走族対策に機動隊 県警、根絶へ「封鎖ネット」導入


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封鎖ネットなどを使い、暴走族検問・摘発訓練を行う機動隊員ら=13日、うるま市大田の機動隊敷地

 県警は、暴走族の取り締まりに、従来の交通指導課や各所轄署に加え、機動隊を導入することを決めた。機動隊による暴走族取り締まりに合わせ、県警は県内初となる封鎖ネットを導入。

暴走族の進路に封鎖ネットを張り、白バイで暴走族を追い詰める新しい手法を展開する。封鎖ネットの導入により、これまでカメラで撮影した画像から運転手などを割り出す地道な捜査手法を改善。現場での現行犯の摘発増加で、暴走族根絶につなげたい考えだ。
 県警交通指導課によると、昨年4月に発足した白バイ遊撃班の運用効果により、2012年の県内における暴走族の暴走行為に絡む摘発件数と摘発人数は、いずれも過去5年間で最少となっている。
 摘発件数は前年比816件減の914件、人数は741人減の955人となり、過去4年の推移と比較しても急激に減少。
 12年の暴走行為に絡む摘発状況の内訳は、道交法違反が887件、921人と最も多く、次いで公務執行妨害など刑法犯が24件、31人、道路運送車両法違反が3件、3人―となった。
 また、暴走族構成員らの摘発状況は、グループ数が前年比1チーム減の13チーム、摘発人数は同70人減の140人(逮捕者86人)だった。摘発件数・人数の激減と同時に、暴走族関連の110番受理件数も前年比794件減の1112件となり、08年の3分の1以下にまで減少した。
 県警機動隊は13日、うるま市大田の同隊敷地内で、暴走族対策の新たな検問・摘発訓練を実施。崎原永克機動隊長は「機動隊は通常、警備や大規模災害などでの出動が中心となるが、夏場に向けて暴走族の多発が懸念される中、取り締まりに加わることになった。現場検挙を目的に所轄署と連携し、暴走族には強い姿勢で対応する」と話した。