特別支援学校 分教室1期生17人巣立つ


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校庭のホームベース上で仲間に胴上げされる照屋陽君(中央)=1日、うるま市の中部農林高校

 【うるま】県内3高校に2010年に新設された特別支援学校分教室から初めて、17人が巣立った。うるま市の中部農林高校で1日に開かれた卒業式で、分教室に通う選手として全国初の高校野球公式戦出場を果たした照屋陽君(18)が修了証書を受け取った。

 陽君は答辞で「ほかの人とうまくできるか不安もあったが授業や行事、部活に一緒に楽しく参加できて良かった。卒業しても私たちと共に過ごした時間を忘れないでください」と力を込めた。卒業式後の校庭には、野球部員らが集まり記念撮影したり、陽君を胴上げしたりする姿があった。
 中部農林高校の野球部に所属し、仲間と共に練習に励んだ陽君。2年生までは高野連未加入を理由に大会に出場できなかったが、昨年6月に日本高野連から認められ、県大会初出場を果たした。照屋君は「試合に出られる喜びで胸がいっぱいになった」と振り返る。
 野球部の具志堅興律監督(52)は「陽と一緒に3年間を過ごせて部員も良かったと思う。3年間の努力を糧にして、活躍を期待している」と目を細める。
 陽君の父・守長さん(65)は「野球部や分教室が自信を持たせてくれた。本人もよくやってくれた。自慢の子です」と感慨深げだった。
 陽君は県内のリフォーム業への就職を目指している。「社会に出てちゃんとした大人になり、尊敬されたり人に優しくできる人になりたい」と笑顔だった。
 県内分教室の17人は所属する特別支援学校の卒業式をもって正式な卒業となる。だが、中部農林高は時間を共に過ごした本校生徒の卒業式に中部農林高の分教室の生徒7人を招き「修了証書」を手渡した。