渡名喜ワイン 上々 那覇で試飲会


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 【南部】渡名喜村の耕作放棄地で沖縄固有のブドウ種「リュウキュウガネブ」を栽培し、ワインなどの商品化につなげ、雇用創出などを目指す島おこしのプロジェクトを主導する沖縄産業計画は10日、那覇市久茂地のブレーン沖縄で、初となる渡名喜産ワインの試作品試飲会を開いた。

 昨年の台風の影響で収穫量が少なく、成熟度もまずまずで酸味が強い仕上がりとなったが、製造に携わった関係者は「やっとスタートできた」と試作品完成を喜んだ。
 「リュウキュウガネブ」はこれまで果肉の少なさや、強い酸味で注目度は低かった。だが大阪府立大の研究で果実や葉に紫外線を当てると、肌のシミの改善など老化防止が期待できる高機能成分「レスベラトロール」を多く合成することが分かっている。
 今回15キロの果実から9・5キロのワインを製造。試飲会には栽培に携わる研究者や、ワイン製造を担った名護パイナップルワイナリーの社員ら10人ほどが出席し、初の渡名喜産ワインを楽しんだ。参加者からは「若い味だ」「色がきれい」との感想があった。
 栽培方法を研究する香川大学の望岡亮介教授は「台風で収穫時期を早めたせいか、少し酸味が強い」と説明。試験製造を担当した名護パイナップルワイナリーの土田大輔営業部係長は「ワインは果実の質で決まる。もっと量と高い糖度が必要」としたが「今ようやくスタートラインに立てた」と表情を緩ませた。
 今後、商品化を目指すほか、来年度にリュウキュウガネブを使った化粧品のテスト販売を予定。本プロジェクトへの問い合わせは沖縄産業計画(電話)098(861)7007。

英文へ→Tonaki Island wine tasting event held in Naha

渡名喜産ワインを試飲する関係者ら=10日、那覇市久茂地のブレーン沖縄
初製造された渡名喜産ワインの試作品