陸上工事既に71億 移設見越し5施設24件


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キャンプ・シュワブでの陸上工事の内容

 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて、政府がキャンプ・シュワブ陸上部分で行っている工事は計5施設24件で、契約金総額は71億円余りに上ることが分かった。

移設反対の世論が根強い中、陸上部の工事を先行させている実態が浮き彫りになった。受注した20社のうち市内の企業は3社。契約金額は全体の9・4%にとどまり、市外・県外の企業が大半を受注している。
 最も契約金が大きい施設は独身下士官宿舎の43億8800万円で、管理棟C(ビジターセンター)9億2千万円、立体駐車場7億9300万円、車両整備工場屋外付帯施設7億7千万円、訓練施設2億4千万円と続く。
 契約金額の合計71億1100万円のうち県外企業4社が27億3600万円(38・5%)を受注。名護市以外の県内企業13社で37億円余と過半を超える。
 受注の実態は3月中旬に名護市議会一般質問で取り上げられ、市が沖縄防衛局に問い合わせた結果を説明した。防衛局は本紙に対し、これら工事は辺野古移設に伴い建物を再配置するためと説明している。
 質問した具志堅徹議員は「基地建設で名護に恩恵があるという話は当たらず、県外企業の契約金額は桁違いだ。(経済効果が市外に)逆流する形になっている」と指摘した。