「辺野古リンクしない」 5施設返還 防衛相説明


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仲井真弘多知事(左)に嘉手納基地より南の米軍施設・区域の返還計画について説明する小野寺五典防衛相(右)=6日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 小野寺五典防衛相が6日来県し、仲井真弘多知事と那覇市内のホテルで会談した。日米両政府が合意した米軍嘉手納基地より南の施設・区域の返還・統合計画を説明。返還に伴う関連施設の移設先に挙がった11市町村の首長らとも会談した。

小野寺氏は会談後、「今回の返還は辺野古移設にリンクしているわけではない」と述べ、普天間飛行場の名護市辺野古移設と嘉手納より南の5施設・区域の返還は関連しないと明言した。仲井真知事は「(返還計画が)現実になるよう継続して頑張ってほしい」と着実な実現を要望した。
 同計画でキャンプ瑞慶覧やキャンプ桑江などの返還時期が、2022年度以降とされた普天間の返還時期よりも後にされたことで、関係自治体などから辺野古移設の停滞の影響を懸念する声も上がっている。
 小野寺氏は知事との会談で「全て独立したスケジュールだ。こちらが動かないからあちらが動かない、というのはない」と述べた。知事は計画に一定の評価をしながら「なかなかそう(計画通り)いかないのが米軍基地の返還の歴史だ」と懸念を示した。
 首長との会談で防衛省の山内正和地方協力局長は、返還・統合計画が実施された場合、在日米軍専用施設の負担割合の軽減度は現在の73・8%から73・1%への減少にとどまると説明。辺野古移設だけが行われた場合は73・5%になる。
 小野寺氏の来県は就任後2回目。知事との会談では「最終的には沖縄の将来的な発展のためにつながると確信している」と述べ、移設を前提とした同計画への理解を求めた。
 知事は普天間の返還が22年度以降とされたことに「長すぎる。9年固定化ということだ」と述べ、県外移設が早期返還につながるとの認識を重ねて表明。「普天間に引きずられて、またパッケージかという印象は受ける。よく精査したい」とも語った。
 小野寺氏は返還されるキャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区を視察し、帰任した。