FC琉球、劇的逆転 JFL第6節


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 サッカーの日本フットボールリーグ(JFL)第6節は13日、各地で2試合を行った。FC琉球は県総合運動公園陸上競技場で佐川印刷SCと対戦し、2―1で逆転勝利を挙げた。通算成績を3勝1敗2分け(勝ち点11)とし、順位を4位に上げた。

得点ランキング首位で、JFL通算出場試合数が100となったFW高橋駿太は、今季6試合全てで得点。計7得点とし、2位に4点差で首位を保っている。琉球の次節は20日、神奈川県のニッパツ三ツ沢球技場で現在16位のY.S.C.C.と対戦する。

FC琉球(3勝1敗2分)(11)
 2―1(0―1,2―0)
佐川印刷SC(1勝3敗2分)(5)
▽得点者 【琉】高橋、我那覇【佐】浦島

 【評】GK田中賢治など、3人が今季初出場で先発したが、序盤から連携が取れずクリアやパスなどのミスが重なり、前半16分に失点。しかし、後半55分に高橋が今季通算7点目を挙げ追い付くと、流れに乗った琉球は、ロスタイムにFW我那覇和樹が追加点を奪い競り勝った。佐川印刷SCは後半から運動量が落ちた。(仲本文子)

◆我那覇 幕際に決勝弾
 前節で今季初黒星を喫した琉球。ホームで負けられない一戦となった第6節は、前半こそ押され気味だったものの、ロスタイムに決勝点を奪う劇的な逆転勝利となった。
 前半からGK田中、MFは三浦旭人、ワンザック・ハイカル・ビン・ワンノルら3人が今季初出場という布陣で臨んだが、ちぐはぐなプレーが続いた。クリアミスやパスミスが重なり、先制点を奪われた。
 しかし、琉球は徐々にペースをつかんだ。圧巻だったのは、後半55分の高橋の芸術的なシュートだ。ゴールまで30メートル以上距離があるフリーキックの場面。高橋の右足から回転を加えられたボールは、相手GKの目前で鮮やかな放物線を描き、ネットを揺らした。
 エースの同点弾で完全に流れをつかんだ琉球は、その後何度も好機を得た。しかし、得点につながらないもどかしい時間が続いた。
 ロスタイムに入り、諦めムードが漂い始めた94分、右コーナーキックに続く混戦から左サイドへ抜けた我那覇がゴール。やっと訪れた勝ち越し点に、選手と観衆は一体となって喜んだ。
 我那覇は「苦しいところでみんなが体を張ってくれた」と、チームメートに感謝。「みんなの気持ちで押し込んだゴール。最後に決められて良かった」と、笑顔で振り返った。(仲本文子)

◆ワンザックが技術見せつけ マレーシア国籍
 佐川印刷SC戦で、初出場ながらも注目を集める選手がいた。ことし3月末から加入したマレーシア国籍選手のひとり、MFワンザックだ。2010年から出身国マレーシアの五輪代表として活躍。この日もサイドから相手守備を2人抜き去りゴール前で好機をつくるなど、技術力の高さを見せつけた。
 日本でのプレーをひと目見ようと、地元報道陣も多数訪れた。マレーシア国営放送を含むテレビ局が5社、新聞や通信社が11社、合計19人のメディア関係者が訪れ、活躍を見守った。
 ワンザックは「最初は緊張したけど頑張れた。早くメンバーとして受け入れてもらい、チームの勝利に貢献したい」とコメントした。

FC琉球―佐川印刷SC 後半94分、逆転シュートを決めチームメートと喜び合うFC琉球のFW我那覇和樹(右)=13日、県総合運動公園陸上競技場(桑原晶子撮影)
技術力の高さが光ったFC琉球新加入のMFワンザック