温度差発電で通電式 久米島、実証事業


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通電式で発電のスイッチを押す(前列左から)川上好久副知事、島尻安伊子内閣府政務官、平良朝幸久米島町長=16日、久米島町

 【久米島】県は16日、沖縄県海洋深層水研究所(久米島町)の海洋温度差発電(OTEC)実証プラントの通電式を行った。

 プラントは「海洋深層水の利用高度化に向けた発電利用実証事業」(一括交付金)を活用して整備し、4月から稼働している。
 プラントは出力50キロワット相当のタービン発電機、実証データを分析する施設を完備。温度差発電は水温変化が小さく、発電出力が安定しているのが特徴で、利用した深層水は水温が10~12度と低温のため水産業、農業などに複合利用することができる。
 通電式は、6月12日の「海洋深層水の日」に合わせて開かれ、多くの関係者が出席した。
 川上好久副知事は「化石燃料に依存する沖縄にとって、エネルギー自給率の向上、エネルギー供給源の多様化は重要。世界に先駆けて行われる実証実験の成果に期待している」と話した。
 式典に引き続きレセプションが行われ、平良朝幸久米島町長は「自然エネルギーの活用に一石を投じた。温度差発電を中心に深層水の利用先進地として挑戦したい」と意気込みを話した。
 17日には、実証施設記念講演会が久米島町具志川農村環境改善センターで開かれた。
(中島徹也通信員)