慶良間海域 国立公園に 26年ぶり新規指定へ


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 【東京】環境省は2013年度中に、貴重なサンゴ礁で知られる慶良間諸島沿岸海域を国立公園に指定する。石原伸晃環境相が2日の記者会見で明らかにした。浅瀬部分の透明度の高さや、高密度に生息する約250種の多様なサンゴ、ザトウクジラの繁殖地であることなど、同海域の特性を高く評価した。実現すれば31番目の国立公園となる。

分割や拡張ではない新規の国立公園指定は1987年の釧路湿原国立公園以来26年ぶり。
 慶良間海域の国立公園指定に向けた意見公募(パブリックコメント)を8月にも実施する。その後、9月にも環境相の諮問機関の中央環境審議会の委員らが現地を視察して国立公園指定の答申を行い、13年度中に指定する予定。
 慶良間諸島は現在、沖縄本島北部沿岸地域とともに沖縄海岸国定公園に指定されている。環境省はサンゴ礁が高密度で生息する同海域の浅瀬部分を「海域公園地区」、それ以外の海域を「普通地域」として指定する方針。海域公園地区では、加工販売など商業目的のサンゴ漁などが規制対象になる。
 国立公園を新設するのは「陸中海岸」を拡張してことし5月に創設された「三陸復興」以来。県内では1972年に西表島、石垣島とその周辺の島々および海域にまたがる地域を「西表石垣国立公園」と指定しており、慶良間諸島海域は県内で2カ所目となる。
英文へ→Kerama Islands to be designated as a national park

慶良間諸島のサンゴ礁=座間味村阿嘉のニシバマ水深約5メートル